流行語大賞にもなった「Z世代」という用語。企業でも「Z世代にいかに対処べき!?」といったように管理職向けの文章などに登場します。Z世代はアメリカ発の用語で、その前はY世代、さらに前にはX世代がおりました。
ことの起こりはX世代。1960~70年代に生まれた者たちを指すようです(つまりベビーブーマの子、Z世代の親)。彼らが世に出てくる時期は1980~90年代で、冷戦末期からインターネット黎明期に重なり価値観の転換期とされました。余談ですが、ちょうどこの頃にかのUSスチールがUSXに呼称変更する一件がありました。大学の授業で先生が「ゆーえすえっくす、どういう意味だ?」とお怒りだったのを今でも覚えているくらい、この当時の「X」は衝撃的でした。
X世代は日本では新人類とレッテルが貼られたものです。新人類と言われた本人によれば、こういうレッテル貼りが難物とのこと。マーケティング分析の必要で世代区分を設けるのは必要でしょう。しかし、ひとりの人物にどう向き合うかについて述べれば、レッテルは不快で不要だと思うのです。
きっとZ世代の若者たちもそう感じているのではないでしょうか。眼前のひとりの若者に対して正直に温かみをもって対応することが肝要なのではないかと思うのです。
ところで、USXは後年USスチールに呼称を戻したそうです。このようなレッテル貼りの虚しさを表しているかのようです。