「中小企業白書」2024年版が発表されました*1。冒頭では能登半島地震や新型コロナの影響について触れられ、そのあと中小企業の現状や課題、対応や施策が述べられています。中小企業が直面する課題への対応として挙げられていたものは次のとおりです(第2部の目次より)。
第1章 人への投資と省力化
第2章 中小企業を支える資金調達
第3章 中小企業の成長
第4章 中小企業・小規模事業者を支える支援機関
政策の最優先は「賃上げ」でしょう。人材確保をどうするかという差し当たりの課題があるのですが、省力化投資に余地があるのではないかという分析で、その資金としては金融機関からの調達に加え、エクイティ・ファイナンスに触れています。また、事業承継については少し優先順が下がった感じがありますが、M&Aやイノベーション活動が取り上げられ中小企業の成長に重きが置かれてます。このようにすることで生産性を高めて賃上げにつなげようという道筋が示されています。
個人的には「M&Aの現状と実態」に示されていた「M&A実施時における業種の組み合わせ<第2-3-25 図>」が面白かったです。宿泊業はインバウンドの影響で異業種からも参入者が多いのではと想像したのですが、同業者以外からM&Aの対象になりにくいことは意外でした。