夏のボーナス支給の時期になりましたが、「ボーナスのカローラ指数」がもしあったら?について考えてみたいと思います。
今年(2024年)の春闘では賃上げ率が5%台に達しました。1991年以来、実に33年ぶりの水準となりました。この勢いはボーナスの交渉状況にも及びます。連合の夏季一時金回答集計(2024.4.2現在)によれば、年間一人当たりボーナスの加重平均が1,641,622万円(昨年実績1,618,133円)で、夏季ボーナスだけでは745,189円(昨年実績730,235円)となり、どちらも昨年比で増額回答となりました。
古い労使交渉の話になりますが昭和の一時期のボーナス交渉で掲げられた労働者側の掛け声は「カローラ1台分」だったとか。クルマが必需品となった時代の、明るい消費生活を謳うかのような掛け声であり、「せめて標準的・家庭的なクルマが買えるくらいの」という労働組合の要望は経営者側としても受け止めやすかったのではと想像します(ぼくが当時の社長であったら、そうだよねぇと思っただろうと)。
さて、現在のクルマの値段は、もちろん昭和の時代とは異なるわけで、トヨタ自動車のカタログによればカローラの最も廉価なタイプで200万円(税込)ほどのようです。先ほどの今年の一時金回答集計と比較すると、どうでしょうか。いまのカローラは買えないかもしれませんが、まあまあの水準と言えなくもありません。カローラの価格設定が毎年のボーナス交渉を意識しているとは思いませんが、なかなかリアルな関係がありそうで興味深いです。
ボーナスにもしカローラ指数が存在するなら、今年のボーナス交渉は労使ともけっこう頑張ったといえそうです。率直に言えば、もうクルマには昭和の頃のような存在感はないと思いますので、令和の時代を象徴する”ナントカ指数”が見つかれば面白そうです。
※今回から、タイトルを変更しました。