今夏は米不足の報道が盛んでした。各地で収穫されている令和6年産の米価格は、はたしてどうなるのでしょうか。先日愛知県のある農業経営者のご支援で側聞したところでは、小売価格が令和5年産に比べて1.5~2倍にもなる情勢で、ただそれも一過性であろうという見方。そもそも、ずっと米価は下落の傾向にあったことも踏まえなければいけません。
さて、水稲主要品種の作付面積割合の資料*1によると「コシヒカリ」が全体の33.4%で圧倒的なトップ。つぎに「あきたこまち」8.5%、そして「ヒノヒカリ」8.1%とつづきます。愛知県に限ると上位3品種は「あいちのかおり」40.6%、「コシヒカリ」24.6%、「ミネアサヒ」5.9%となります。なお、愛知県の作付面積が全国に占める割合は2.0%です(数値はいずれも令和4年産のもの)。
また、お米の食味は、タンパク質とアミロース、水分のバランスで決まるそうです。作付面積は少ないですが低アミロース米という品種があって、たとえば代表的な品種が「ミルキークイーン」。アミロースが少ないおかげでもち米に近く、冷めても美味しく、消化吸収に良い(たとえばお年寄りやお子さんに優しい)という特徴があるのだとか。お米の品種選びにもこだわりや楽しみがあるようです。
ここまで、いろいろなお米の品種を挙げてきましたが、命名にはルールがあったということをご存じでしたでしょうか。恥ずかしながらルールがあったことも知らずにおりました。カタカナの品種は国が開発したもの、平仮名の品種は県等が開発したもの、ということだそうです。なお、いまはルールはなくなり自由に付けられるとのことです*2。
農業技術研究機関や農家による、不断の研究や生産技術の工夫により今年も美味しい新米が頂けそうです。
*1 「令和4年産 水稲の品種別作付動向について」(公益社団法人 米穀安定供給確保支援機構)