1日数時間だけ働くスキマバイトという働き方が定着しつつあります。新たな労働階級の誕生なのか?それとも人的資本経営がいう多様な人材の活用なのでしょうか?先日あるネット記事に「タイミーさんがタイミーさんを指導する」というものがありました*1。
その日限りのスキマバイトという働き方自体は、多様な働き方というニーズに応えるものだと思いますので批判されるものではないと思います。ただ、なんとも言えない違和感があるのも率直な気持ちです。その違和感は、職場では名前ではなく「タイミーさん」であり個人を示す情報はID番号のみ。昔からある雇用保険法でいう「日々雇用される者(日雇い労働)」だって一緒かもしれないけれど、スキマバイトは更に無機質な感じがするのは気のせいでしょうか。
ネット記事には、職場の正社員らしき者が先輩タイミーさんに対して新人タイミーさんの指導を任せるシーンがあります。先輩はブツブツいいながらも新人を指導する様子が綴られていて、わずかに残る人間関係に可能性を感じつつも、いやいやそこは正社員が指導すべでは!?とツッコミたくなります。また、この職場は、かつては高齢者パートが作業者の中心だったとか。しかし、ミスやケガが多いためスキマバイトの割合が増えてきたのだそうです。
働き方自体に良し悪しはないと思います。スキマバイトの仕組みを構築した若き起業家にも大いに活躍して欲しいと思います。ただ、私たちがずっと求めてきた、あるいは大事にしてきた人間らしい労働について思わずにいられません。
ちなみに、このようなスキマバイトの仕組みが、たとえば非正規労働者の外部労働市場となり処遇向上のための勢力にまでなるのであれば、それは面白い展開だと思います。
*1 「タイミーさんがタイミーさんを指導する……副業おばさんが目の当たりにしたニッポンの人手不足【令和版おじさんの副業NEO】宅配便の早朝の仕分け作業」2024.10.29 若月 澪子 JBPress